内田文雄先生は私に建築の楽しさや面白さを教えて下さった恩師ですが、その内田先生の恩師である吉阪隆正先生の展示会へ、先週末にご一緒させて頂きました。
展示は吉阪先生の多岐に渡る膨大な活動を、模型や図面、文章を使ってポイントを絞って網羅的に展示するというもの。といっても、一つ一つをしっかり見ていくと1日いても足りないのでは というボリューム!
大学セミナーハウスのゾーンに入ると、見覚えのある茶色い塊が目に入ってきました、、、15年前の大学院時代に「吉阪隆正展 #頭と手」の展示模型として内田研究室で作成した1/50スケールの油土模型が、堂々とそこにあったのです!あの時どうやって油土で精度を出すかとか、畳一枚以上の大きさで重さもある油土模型をどうやって山口から東京まで運ぶかとか、油土が硬いので電子レンジや炊飯ジャーで温めてから塗りたくったり、たわしで叩いて芝生の質感を出したり、みんなで苦労して作成した日々を思い出しました。当時は、山口大学のほかに、神戸大重村研、早大後藤研、早稲田芸術学校の数多くの学生パワーを動員しての開催でしたね。建築に限らず、時を超えて存在するモノの力を感じ、思わず涙が出そうでした。またまた「再」ですね。モノに内包される「時間」には、人間の記憶を宿す力があることを再認識!
わたしは1981年生まれで、吉阪先生は1980年に亡くなられています。学生時代に内田先生を通して吉阪先生に出会い、惹かれていきました。2年前の世界周遊時にフランス・マルセイユに行った際、ル・コルビジェの元で吉阪先生が携わったユニテ・ダビタシオンを見た時、こんなに公共性を纏った集合住宅が70年も前にできていたのかと感動したのを覚えています。近い将来、吉阪先生を直接知る人がいなくなっていくと思うと、こういった展示会は本当に意味のある事だと思います。展示会に携わった方々に感謝いたします。
大変有意義で、感慨深い展示会でした。
内田先生、ご一緒させて頂き 本当に有難うございました!
吉阪隆正展は6月19日(日)まで!
皆さま、確実に「必見」です!!
↓展示会概要
#TakamasaYoshizaka#吉阪隆正#ひげから地球へパノラみる #東京都現代美術館